「君にずっと微熱」(全年齢)男性1人用 10〜15分程度

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題名『君にずっと微熱』
全年齢 男性1人用  10〜15分程度

幼なじみが熱をだしているので、お見舞いにきた男子。
辛そうなので、看病しようとする。
男女共 高校生〜大学生の設定。
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おい、入るぞ。

(ドア開ける)

って寝てるよな…。
おばさん、熱あるって言ってたし。


水とタオルはここに置くか。

(ベット脇に座る)
よっと。

いやそれにしても辛そうだな…。

ちょっとオデコを…。

(オデコに手をあて熱をはかる)

熱いな…。
まだまだ下がんないかもな。

あー。悪い。
起こしちゃったか?

ごめん、勝手に部屋入って。

あぁそのまま寝てろって。
滅多に寝込まないお前が休んだっていうから、ちょっとからかいに来ただけだし。
適当にして帰るから。

寝てろって。
だるそうだし。
体、辛いんだろ?

(女の子、また目を閉じる)

ふぅ。寝たか…。
いつも強気なお前がこんなふうにぐったりしてると、なんか調子狂う。

えーっと。どうしたらいいんだ?
俺、看病なんかしたことないんだけど。

おばさん、出かけちゃったし…。

とりあえず、顔の汗拭くか。

首んとこも汗かいてる。


…なんか、昔と逆だな。

小さい頃は俺の方がよく熱出してたから、お前がよく俺の家に来てくれた。

うつるかもしれないから部屋に入ってくるなっていうのに、毎回毎回ベットのそばに来て、ただ座ってくれてた。

留守がちな俺の親の代わりに手を握ってくれてたもんな。


うわ、Tシャツ、汗びっしょり。

んー…、着替えさせるべき?

いや、まずいだろ…。
幼なじみとはいえ、もう小学生とかじゃないし。
…まずいよな…。

あー、でも、この汗冷えたらもっとまずい。

…とりあえず上のTシャツだけでも着替えさせるか。

仕方ない。仕方ないんだ。
起きちゃったら開き直るしかない。

タンスからTシャツをっと…。


頼むから起きるなよ。

上半身起こして…、よっと。


Tシャツ脱がして…。

わわっ!倒れんな。

タオルで汗拭いてっと…。


…ったく女らしい体つきになりやがって。

なんかちょっと手が震える…。
緊張してんのかな…。

この体に堂々と触れられる男は誰なんだろうな…。

俺…じゃないんだろうな…。


新しいTシャツを着せてっと。
ふぅ。


ふふ。なんか今のこの体勢だと、抱きしめ合ってるみたいだな…。

お前の頭が俺の肩にのって、俺がお前の背中に手を回してて。


…少しだけ。
もう少しだけ。

(軽く抱きしめる)

ふっ。抱きしめちゃった。
起きなくてよかった…。

よし。
もう一度寝かせてっと。

(女の子目を覚ます)

悪いっ。
体動かしたから、目、覚めちゃったな。

大丈夫か?

おばさん、買い物行きたいって言うから、その間だけ留守番頼まれた。

まだ、辛いだろ?
ぼーっとしてる。

頭、働いてないんだろ?
さっき少し起きたの、覚えてないみたいだな。

ん?
昔と逆?

あぁ、さっき俺もそう思ってた。
俺の方がよく熱だしてたもんな。

ってか、お前なんか最近無理してないか?
その…頑張りすぎてないか?

今回のも知恵熱とかじゃ…。

は?
昨日、あの雨の中、傘ささないで帰ってきた?

バカ。
そういう時は家の人に電話しろよ。

っていうか、俺に連絡しろ。
家隣なんだし、俺、男なんだから、夜遅くたって構わないんだし。

次から、そうしろよ?

ん。分かればよし。

(時間、大丈夫?と聞かれる)

あぁ、今日は俺はいいの。その…暇だったし。

病気の時ってなんか心細いじゃん。
人恋しくなるっていうか…。

だから、おばさん帰ってくるまでいるから。

あー、無理して喋るな。

喋んなくてもここにいるからさ。


は?
手?

珍しいな。お前が甘えんのって。

はい。こっちの手でいいか?

(手を握る)

俺の手、冷たい?

いや、いいよ。
気持ちいいなら、ずっと握ってろ。

こんなことだけでいいのか?
その…なんかしてほしいことあったら、してやるよ。

水飲まなくて平気?

喉乾いたら言えよ。
お前の言うこと、今ならなんでも聞いてやるから。

もう少し、寝る?

ん。寝ろ。

はい、目、閉じる!

…おやすみ。

(女の子、寝る)


はぁぁ、なんなの。“手、貸して”って。

そういうの、無意識なのかよ。
ドキドキさせんなよ。
頬とか赤いし、吐く息とかなんか色っぽくて…。

はぁ。顔あつい。
俺も熱出たんじゃね?

ったく、俺の理性に感謝しろ…。

頼むから無防備になるのは俺の前だけにして…。


この部屋からの外の景色、あと何回見れんだろ…。

(名前、呼ばれる)

ん? …なに?


なんだよ、寝言かよ…。
俺の名前、言うんじゃねぇよ…。


…なぁ。
夢に俺が出てくるの?

夢ん中で俺、お前と一緒にいんの?

…そうだったら、嬉しいんだけどな。


こうやって寝てたら、無防備で可愛くて、ほっとけない…。

(軽いリップ音)

寝てる時にキスするの、初めてじゃないって言ったら、きっと怒るよな。

着替えさせたってあとで分かったら、もっとだな…。

(もう一度軽いリップ音)

俺に風邪うつしちゃえよ。
お前といる時はずっと微熱だしてるようなもんだから、たぶん平気。

会えないのが1日でももったいない。


…俺、来年になったら家出てくんだよ。

それ伝えたら、お前、どんな反応するかな。

それまでに楽しいことしたい。
いっぱいしたい。

だから、早く元気になって、強気なお前に戻って。

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