題名『薬指に溢れる愛を〜年下彼氏のプロポーズ〜前編』
全年齢 男性一人用 10〜15分
年下彼氏、年上彼女。二人とも社会人。
週末は、どちらかの家で過ごすのが通常。
前日仕事で疲れて帰ってきた彼女はソファーで寝落ちしてしまった。
翌朝、彼女が寝ている間に、なにかを計画している彼氏はコソコソと準備をしている。
〈キーワード:年下、プロポーズ、手紙、甘々〉
後編(R18)もあります。
続けて読んでいただいても、またはこの前編のみ、後編のみでもいいようになっております。
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(↓ひとりごとのように)
えーと、あとは…、これをここに入れて…。
あっ?
えっ?
あー…起きちゃった?
ごめん、物音したからでしょ。
おはよ。
よく眠れた?
(彼女、自分がベッドにいることを不思議に思う)
あぁ、昨日ね、お風呂でたあと、そのままソファーで寝ちゃったの。
だから、ベッドに運んでおいた。
大丈夫?
疲れてたんでしょ?
最近忙しそうだったもんね。
俺が手伝えること、ある?
そう?
ん。遠慮しないで言ってね。
そう言っても絶対、無理しちゃうんだからさ。
今日はどうする?
疲れてるなら、家でゆっくりする?
あとでDVDでも借りてこよっか。
今ね、朝ごはん作ってたんだ。
あと、コーヒー淹れるだけなんだけど。
起きてこれ(る?←発音しない)…
(彼女、指輪に気づく)
あー…。
見つけちゃった?
気づいちゃった、よね…。
うん。それ、俺から。
薬指の指輪。
いや…、その…。
もうちょっとあとで気づいてもらって、ハッピーな感じで演出しようと思ってたんだけど…。
なんか緊張して、ワタワタしてたら、物音で起こしちゃった。
格好つかないね…。
近くに座っていい?
(SEあれば衣擦れ音)
えーと。
指輪をはめたから、なんとなくわかると思うんだけど…。
ふう。
緊張する…。
やっぱ、ちょっと。ちょっと待って。
ごめん、手紙持ってくる。
(引き出しを開け、手紙を取ってくる)
よし。おまたせ。
俺さ、きっと緊張して、何にも言えなくなっちゃうんじゃないかと思って。
それに、俺の気持ちも形に残るからいいかな、とも思って、メモっていうか手紙を書いといたんだ。
それがコレ。
じゃあ、読むね。
んん(咳払い)。
(以下、手紙を読む)
俺が手紙を書くなんて驚いてるかもしれないけれど、
正直な気持ちを伝えたくて書くことにしました。
付き合ってしばらくたつけれど、いつも俺のことを考えてくれてありがとう。
眠いはずなのに、週明け、朝早く出かける俺を見送ってくれる。
俺が少し弱ってる時は、うるさくどうしたのか聞かず、だまって寄り添って癒してくれる。
ダメなことは、ちゃんと怒ってくれる。
そうやって俺のそばにいてくれたね。
俺が年下なせいで不安にもさせたね。
友達の結婚式に出た夜、楽しそうにその日あったことを話してくれたけど…。
ほんとは自分の将来を不安に思ってること、気付いてた。
ごめんね。
俺、やっと自分で好きな人を守れるようになった。
この前、大きなプロジェクトを任せてもらえるようになったよ。
守っていける自信と覚悟ができた。
色々恋愛してきたけれど、どんな順番で出会ったとしても。
やっぱり俺は最終的に先輩を選ぶよ。
ていうか、先輩って呼ぶのもそろそやめたい。
口ぐせになっちゃってるけど、ほんとは名前で呼びたいです。
自信がなくって、守っていける力もなくって。
先輩から離れた方がいいのかなって思ったこともあったよ。
でもやっぱり無理だ。
好きなものはどう我慢してもやっぱり好きなんだ。
これは変えられなかった。
付き合い始めた時、本当は、俺のこと、まだ好きじゃなかったことも知ってる。
でも今は、滅多に口にしてくれないけれど、俺のこと、大好きだってこともわかってる。
本当は大丈夫じゃないのに、大丈夫って言っちゃうこともわかってる。
そうやって少し嘘をつく先輩のこと、分かってあげられるのは、俺だけだと思うんだ。
だから、俺のしつこさに諦めて、俺のものになってください。
ずっと、俺のとなりにいて下さい。
(ここで手紙終了)
ふぅ。
手紙はここまで。
なんか今読んでみても、まとまりのない内容だったね。ごめん。
要するにさ…。
俺には先輩が必要で、先輩には俺が必要ってこと。
この先、ずっとね。
まだ頼りないって思ってるかもしれない。
不安に思うこともあるかもしれない。
でも、二人でいれば、どんなこともうまくやっていけるような気がするんだ。
だから…。
だから、俺と結婚して下さい。
…俺と一生、一緒に生きてください。
(彼女、涙をこぼす)
あー…。泣いちゃった。
(抱きしめる)
泣いてくれたらいいなって思ってたけれど…、
実際泣かれると、俺、弱いなぁ…。
まだ言うことあったのに、抱きしめちゃったじゃん。
…泣いてくれてるってことは、オッケーっていう返事だと思っていい?
ちゃんと言葉にして教えて?
お願い。
あっ、ちょ、ちょっと待って。
また緊張してきた…。
…はい、どうぞ。
(彼女「よろしくお願いいたします」と答える)
…ほんと?ほんとに?
ありがとう。
ほんとにありがとう。
(強く抱きしめる)
俺、今なら、嬉しくて隣の公園で叫んじゃいそう。
あーごめん、ギュってしすぎちゃった。苦しかったね。
泣かせてごめんね。
待たせてごめんね。
…待っててくれて、ありがとう。
(軽いリップ音1回)
ちょっとまだ信じられない感じ?
どうしようかな。
んーと、先輩。俺のあとに同じ言葉、繰り返して言って。
いい?
先輩と俺はこれからもずっと一緒。
はい、言って?
(彼女、復唱)
ん、そう。
じゃ、続けるね。
弱った時も辛い時も二人でいる。
(彼女、復唱)
嬉しい時も、もちろん二人でいる。
(彼女、復唱)
おじいちゃんとおばあちゃんになっても、ずっと一緒にいる。
(彼女、復唱)
俺と先輩にそっくりな子供は二人でずっと守っていく。
あぁ。…もっと泣かせちゃった。
ありがとう。
俺と出会ってくれて。
ありがとう。
俺と一緒にいてくれて。
あーダメだ。もらい泣きしそう。
…俺の全てをかけて、幸せにするね。
(↓独り言のように小声で)
いや、でも、先輩と一緒になれて嬉しいのは俺だし…。
俺の方が幸せにしてもらうのか…??
(彼女に笑われる)
あ。なんで笑ったの?
(薬指にキス:軽いリップ音1回)
誓うよ。この薬指の指輪に。
ずっと愛してる。
(軽いリップ音1回)
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