「夏の夜、君にキス」(全年齢)男性一人用 10分程度

題名『夏の夜、君とキス』
全年齢 男性一人用 10分程度

仲の良い友達関係の男女二人。
大勢で遊んだり、二人で遊んだりもする。
男子はこの女子のことが好き。
男子の部屋で仲間で遊んでいた。
女子が突然花火がしたいと言ってふたりで部屋を出て、公園に来る。

タイトル変更可
キーワード <男友達・夏・線香花火・友達から恋人へ・告白・キス>
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次、これにするか。

それも、火、つける?

ん。ちょっとこっちに近づけて。

よし。

わっ。その花火、結構、勢いあるな。

こら、振り回すな。

もう、テンション高すぎ。
ほかの奴らは酔っ払って俺の家で寝てるし…。

急に花火したいとか言うからとりあえず出てきたけど。
コンビニにあって良かったな。

え? もう次?
早くない?

それ終わったら、もう線香花火しかないぞ。

もっと量多いの買えば良かったな。

終わった?
んじゃ、線香花火やろ。

こっち。隣、座って。

はい、一本。

(線香花火に火をつける:あればSE線香花火の音)

なんかさ、休みのたびにお前と一緒にいるような気がするわ。

っていうか、気がするんじゃなくって事実か。

あいつらと一緒に大勢で遊ぶ時もあるし、こうやって二人で遊んだり、買い物したり。


……お前は俺と一緒にいると楽しい?

そ? なら良かった。

俺は…。
俺は、すっげー楽しいよ。

あっ。それ落ちそう。

(ボーッと彼女を見つめる)
(急に黙ったので、彼女が不思議そうにする)

……ん?
あー、花火の明かりとお前の横顔見てた…。

はいはい、新しいやつね。
どうぞ。


なぁ…。
来週のお前の誕生日はどーすんの?
みんなでパーティする?

…それとも二人でお祝いする?

あのさ…。

二人でしたい。
お前の誕生日、俺が祝いたい。


なに、動揺してんだよ。

…俺はいつまでいちばん仲のいい男友達でいればいい?

一番、距離が近いと思ってんのは俺だけ?

俺と会ってる時、話してる時、
嬉しそうに、恥ずかしそうにしてる。

きっと…。
この関係を壊すのが怖いんだろ?

付き合うと終わりがあると思って、この状態を続けようと思ってんだろ?

(彼女、立とうとする)

待って。
このまま、ここにいて。

逃げんな。

…お願い、逃げないで。

ごめん。でも俺はこの状況を壊したい。

そんな不安、ずっと一緒にいて、吹き飛ばしてやるよ。


顔、こっち向いて。

…ずっと好きだった。

…すっごい、好き。

口を大きく開けて笑うとこも、
やらなきゃいけないことは実はちゃんと真面目にやってるとこも、
意外と、周り全体を見て、みんなのこと気にしてるとこも…。

お前も俺のこと…。
好き……、だろ…?

(彼女、うなづく)

はぁ…。良かった。
俺の勘違いじゃなかった。


下、向かないで。
顔、見せて。

ふ。可愛いな。

ずっと思ってた。
可愛いって思っても、“冗談でしょ”って真に受けてくれないだろうから、言えなかった。

それに、キスしたい、抱きしめたいって。

なんで泣きそう?

まだ不安?
それとも、うれし涙?

泣くなら、俺の胸で泣いて。

おいで。

(抱きしめる)

…ドキドキしてんの、わかる?
お前に触れただけでこうなんの。


キス、していい?

(軽いリップ音1回)

どうしよ。
幸せで俺も泣きそうなんだけど。

もう一回していい?

(軽いリップ音1回)

顔、赤くなって可愛い。

ますます好きにさせてどうすんの?

もっと、キスさせて。

(リップ音、2、3回)


え、キス、エロい?

わかんないけど、お前とキスしてたら、“もっと”って思っちゃう。

でも、エロいっていうのはこんなもんじゃないよ。

まあ、その…。それは、これからわかる。

悪いけど、いろんなこと、お前とで妄想してたから。

…だから、覚悟しといて。

(リップ音 2、3回)

あぁ、離したくないな…。

(軽いリップ音1回)


気温下がってきたし、仕方ないけど、帰るか。

よっと。

(立ち上がる)

手繋いで帰ろ。
ん。

(手を繋ぐ)

…あー、ちきしょ。
なんで、今日あいつら部屋にいるんだよ…。

あ。笑ったな?

だって、せっかくイチャイチャできるかと思ったのにさ…。


線香花火、余っちゃったな。
また来週、一緒にやろうか。

これから線香花火をやるたび、今日のこと思い出して、幸せな気分になりそう。

な?

(軽いリップ音1回)

その上目遣いと笑顔、可愛すぎ。

や、キス魔じゃないし。
好きな子にいっぱいキスしたいって思うの、当たり前だろ?

だからこれから、いっぱいキスする。

それに、今日の俺が甘いって思うのも、今までの俺は友達としての俺。
前までとは違うかもしれないけれど、今の方が本当の俺。
一緒にいたら、わかっていくと思うけど、好きな子には甘いと思う。
だから、慣れていって?

やば。
なんかニヤけちゃうな…。


…とりあえず、戻ろうか。
行こ。


……やっぱ、最後にもう一回だけ。

(軽いリップ音1回)

嬉しい。
やっと俺のものになった。
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